疾風迅雷クォーツの休憩室

1年くらいブログの更新が滞ることがありますが、近況報告はYouTubeの雑談枠でやってます。

本格登山の登竜門、丹沢山塊の塔の岳に登山素人の私が軽装で挑んだ結果がコチラ

本格登山の登竜門、丹沢山塊の塔の岳に登山素人の私が軽装で挑んだ結果がコチラ

 お久しぶりです。疾風迅雷クォーツです。普段はYouTubeスマブラのオンライン対戦動画を中心に投稿しているのですが、最近ハイキングや軽登山にハマりまして、登った山の記録を書き記すためにこちらのブログを利用しております。月に一度程度のペースでちょうどいいレベルの山に登っていき、その様子をブログに記させていただきます。コロナ渦が終わり、そろそろアクティブに動きたいという方、最近ハイキングや登山を始めた方にこそ私のブログを追ってもらいたいと思っております。

 

塔の岳ってどんな山?

 塔の岳に登った感想を話す前に、まずは今回挑戦した塔の岳がどのような山なのかということをちゃんとお話ししたいと思います。ネットなどでは初心者向けの山とは書かれていますが、ちゃんと登山がしたい人が行くガチの山です。軽いハイキング気分で行くと後悔します。ちなみに山クエという全国の山の難易度を出しているサイトではレベル40の中級レベルの山として紹介されています。(ちなみに登山初心者が最初にいく山として有名な高尾山はレベル32の中級レベル)少なくとも、Tシャツジーパンスニーカーで挑んでいい山ではありません。まあ時間をかければ登れないこともないし、現に私も標準コースタイムの1.5倍の時間はかかりましたがちゃんと山頂まで到達して日没までに下山できてますのでその辺はお任せします。ただ、朝早い出発をお勧めします。

 そして、塔の岳最大の特徴として挙げられるのは、バカ尾根と呼ばれる全長7kmにもわたる単調な登り階段とも言われています。そのため、上級者やプロの登山者もトレーニングとして調整のためにこの山に登るとも言われています。ただ、これは私の感想ですが、登りの途中、特に堀山の家あたりまではそこまで辛くありません。楽勝ということはありませんが、この辺りまでならこれまでに登ってきた御岳山や鋸山の方がきつかった印象すらあります。ですが、標高1000mを超えてからの登りと見晴茶屋までの下りは今までにないくらい大変でした。おそらく初心者のほぼ初期装備状態である私だから辛かったけど、山にある程度慣れている人ならいい練習、軽めの調整で済んでしまうような山なのかなとも思ってしまいます。この表現が適切かは分かりませんが、サッカーでいえばアイスランド代表くらいのレベルなのかとは感じました。(エベレストではなく日本最難関の山とされる剱岳をアルゼンチン代表とした場合)

 

登る前に気圧される!塔の岳は今までの山とは違う

 塔の岳は、都心からのアクセスがわりと良く、新宿から小田急線で70分(必ず急行小田原行きに乗ってください)で行けます。駅でいうと東海大学前の次あたりの渋沢という駅です。電車から降りると、塔の岳の登山口である大倉までいけるバスが出ているのですが、そこにいたのは、自分の身長ほどの大きい登山用バッグを背負って、トレッキングポールをその中に忍ばせ、ゴツゴツした登山靴を履いているTHE・登山者の集団でした。ポケモンとかで洞窟によくいるイワークとかゴローンとか出してくる恰幅のいいおっさんのイメージで大丈夫です。

 一瞬怯みかけてバスに乗るのをやめようとしましたが、どうにか勇気を振り絞りバスに乗車、大倉の登山口まで行きます。登山口では、食事ができるところや山の情報が手に入る施設、あと意外と大事なところではトイレなどもありました。登山道にもトイレはあるのですが、設備保全のために有料となっているため、ここでトイレは済ませておく方が賢明でしょう。

 

 家を出る前にはバナナしか口に入れていないので腹ごしらえのためにクラブハウスサンドを頂きました。そこで店主と軽く世間話をしたのですが、私がTシャツジーパンスニーカーで来ているのを心配して、やんわりと止められました。ここは素人が、しかもそんな軽装で来ていい山ではないとの事でしたが、この会話をしたのが7時20分ごろであったこと、私がまだ若かったことを考慮し、ゆっくり登れば登れないことはないという判断になり、登頂の許可を頂きました。

 塔の岳に限らず丹沢山塊の全ての山では、入山の際に登山カードを提出しなければいけません。ここまで読んで頂けた方なら、塔の岳挑戦というのがただのハイキングではなく本格的な登山であることがご理解頂けたかと思います。ここで驚くべき事実を話しておきます。ここまで2000字近く書いてきましたが、私まだ山を出発していません。まだまだ長くなりそうなので、覚悟のある人は引き続き読み進めていただければと思います。

 

バカ尾根VS登山初心者

 塔の岳登山は、こういった上りを7km登っていく登山です。確かにキツイですが、決して登れない山ということはありません。また、泥道や階段、木製の歩道などバリエーションにも富んでいるため、単調で飽きが来るということもありません。傾斜がキツイと感じたら、途中で立ち止まって休むのもアリです。時間はかかってしまいますが、登り切った後に無傷で降りれた人が偉いんです。何回か挑戦して慣れてきたら時間を気にする必要も出てくるかもしれませんが、最初は無事に頂上まで登って日没までに降りられたら勝ちです。なので、万が一に備えて朝一の始発に近い電車で動くことをお勧めします。

 

 塔の岳が初心者向けと言われる理由の一つに、休憩所やトイレが多いことが挙げられます。休憩所は、山荘も兼ねているので素泊まりなら4000円くらいで宿泊もできてしまいます。泊まらないにしても、ペットボトルの飲み物を400円で手に入れることができます。地上で買うよりかは高いですが、飲料を地上でまとめ買いして4本のペットボトルを持っていくことを考えるなら私なら休憩所で買います。これから挑戦する山の中で休憩所がなく、数リットルの水を背負って挑戦しなければならない山もあるでしょうが、それは今この山ではないということですね。

 トイレに関しても、1回の利用につき100円かかるので、頻繫には使えませんが、この先挑戦する山ではトイレがなく、携帯トイレを持参しなければならない場面が来るかもしれないことを考えると非常に助かります。ただ、トイレの性質上トイレットペーパーは流せないので注意が必要です。

 堀山の家を超えて、標高1000mを越えたあたりから急に苦しくなってきます。そこから斜面が急になるのではなく、標高が高いが故に酸素が薄く、地上よりも多くのエネルギーを使っているのではないかと考えていました。事実、標高1000mでは地上の89%しか酸素が吸えません。11%くらいでごちゃごちゃうるさいと思うかもしれませんが、考えてみてください。今までは月20万円収入があったのに今月から月17万8000円しか入ってこなかったら嫌ですよね。それと同じようなことがこの標高1000mでは起こっているのです。

 しかし、悪いことばかりではありません。この辺りまで来ると、かなり景色は良くなります。もっと言うと、ここらへんの景色は頂上よりも良かったです。というのも、前日までの雨の影響で、頂上は雲が多く景色なんてほとんど見えませんでした。よく成功者や憧れの人を雲の上の存在といいますが、私が今いる場所こそが雲の上なんだと知り、何とも言えない高揚感がこみ上げてきました。

 山に関する記事や番組で、絶景を映像越しに見ることは多いかと思います。私も事前準備の際にそういった画像や映像を目にすることがありますが、それらを見ただけでは実際にその場所に行った時の半分の感動もないでしょう。百聞は一見に如かずという言葉がありますが、まさにその通りだなと思います。私のゴミみたいなandroid携帯の画質ではこのレベルなんですが、実際に目にしてみると結構感動します。なので是非ともご自身の目で見て体感してもらえたらと思います。ただし、本当の初心者が登るにはかなり大変ですので、高尾山、御岳山、鋸山、筑波山武甲山などの初心者向けの山を登ってから、ある程度自信をつけて登った方が楽かもしれません。

ついに頂上へ!しかし本当にキツイのはここからだ

 午後0:15 スタートから5時間弱、私はついに塔の岳の頂上まで到達しました。本来なら鍋割山に寄って下山しようと考えていたのですが、時間、体力双方の面から来た道を戻ろうという判断を下しました。これを山岳用語でピストンというらしいですね。先ほども述べたのですが、山頂からの眺めは雲によって塞がれ、何も見ることはできませんでした。晴れていれば富士山や丹沢の山々が広がっていたのだろうが、またの機会への楽しみに取っておくことにします。

 

 大抵の山において、登るだけならおそらくほとんどの人ができるでしょう。たとえ急な坂や傾斜があったとしても、時間をかけて休みながら行けばそこまで難しくはないでしょう。ですが、本当に大変なのは実は下りなのです。まず、足をかける場所を間違えると転んで、運が悪ければ大怪我をします。そうならないための対策として、登山靴を履いたりトレッキングポールで足場を確保したりするのですが、Tシャツジーパンスニーカーの私にそんなものはありません。なので、私は計4回も転んでしまいました。

朝早くから出発したおかげでどうにか日没までには下山することができましたが、本来6時間10分で登って降りて来られるコースに1.5倍の9時間半かかってしまいました。

 

登れはしたが、課題が残る悔しい登山だった

 今回の塔の岳挑戦は、結果こそ成功に終わったが、極度の疲労と足腰の筋肉痛、初期装備の限界、大幅なタイムロスなど、反省点が多く、これまでのハイキングじみた軽登山のような達成感はほとんどありませんでした。ですが、これで登山を辞めようということではなく、むしろ更に経験を積んでリベンジしたいと思っています。

 また、塔の岳はこれまでの山とは違い、登山者同士のコミュニケーションが密になっていて、単独登山ではありましたが仲間の存在をしっかりと感じることができるような山でした。少なくとも独りで黙々と登る山ではないですね。

 初心者向けの山をいくつか登った後に、もっと強え奴はいねえのか⁉という心境の時に登る山としてはかなりおすすめできます。ちゃんと強いので、鍋割山などの他の山に寄る余裕がないくらいには満足できます。それでは、また来月あたりに会いましょう。